2007年8月21日 (火)

×ゲーム読了

新聞に宣伝してあるのを見て面白そうだな、と思ったので図書館で借りて読みました。

×ゲーム  山田悠介著

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それにしても、まずビックリしたのはこの本をたった2日で読み終わってしまった事です。最近は憲法や日本史などの勉強するための本か、そうでなければ町田康の小説など、辞書を引いたりパソコンで調べたりしなければ読めないような本を1週間くらいかけて読んでたんですが、私もそれほど中身のないサラッとした小説ならばまあまあ早く読めるのだなあ、という事が分かりました。

この本は小学生の時ずっといじめられていた蕪木鞠子がその約10年後に仕返しを開始するというスプラッタホラーです。その鞠子は当時いじめに加わっていた英明に×ゲームで告白されてそれを真に受け、以来10年間ずっと病的な愛を抱き続けていたりもする。で、恐怖描写としては、写真の背後にずっと写っていたり、英明の彼女を拉致ったり、いじめのリーダー格だった剛司を虐殺したりといった感じ。

全体的に嫌いではない。でも主人公的なポジションの英明がね、世間一般の普通の坊っちゃんといった感じで、終始ムカついていたのであまり主人公の恐怖に共感できず、むしろ鞠子の方がずっとよかった。英明が鞠子に狂ってるという言葉を連発したのも気に入らない。自分のいじめのせいであんな虐殺が起きたのに、基本ずっと相手を異常者扱い。そんな事よりもっと罪悪感を感じろよ、と。

描写もいまいちだった気がする。やっぱり心理描写をきっちりやって虐殺に及ぶ経緯を細かく描くか、それは描かずに得体の知れない者として恐怖を追及するかどちらかだと思うんですね。それがなんか中途半端だった。中途半端に心理描写があり中途半端に恐怖に走った。私の好みとしては身勝手自己中の英明よりも鞠子の心理描写がもっと欲しかったという事かも知れません。

最後に恐怖度としてはそんなに怖くなかったです。鞠子の方に感情移入しちゃったからストーキングも虐殺も怖くないんですよねえ。剛司の虐殺シーンも、ガスバーナーで手をあぶる、爪を剥がす、生きたまま肩を切り落とそうとする、金槌で頭を何度も殴りつけて殺す、など残虐は残虐ですが、冒頭の鞠子に対する剛司の苛烈ないじめを目にした後では「いい気味」と思ってしまう自分も否定できないというか、むしろこのシーンがこの本の中では一番いいと思うんですよね。ああこんな事言うとひかれるのかなあ。

ラストシーンに注文をつけるなら、最後まで鞠子の英明への愛が憎しみに変わらなかったのが残念だった。途中から私はずっと英明も剛司みたいに殺される事を願ってました。世間一般の坊っちゃんは大嫌いだから。

それだったら、鞠子が「英明は私の事好きじゃないの?…そう、私も本当はこんな事したくなかったけど仕方ないわね」と言い痛くない楽な方法でバッと殺した後死体をバラバラに切り刻む。そしてそれを袋か何かに入れて持って警察から逃げる。その後新しく借りるか買うかした家にそのバラバラ死体を冷凍保存できるような設備を整え、そこに死体を安置する。で、そのバラバラになった腕とか足とか首とかに毎日毎日「英明?英明…」と幸せそうに話しかけ続ける。

という終わり方を考えてみたんですがどうでしょう。やっぱりちょっと無理あるかなあ。

…なんか私の路線もおかしくなってきましたね。別にそんなにスプラッタものが好きだったわけでもないのに、何をバラバラ死体の話なんか真剣にしているんだろう。そっちもいけるクチですかい。もう自分が分からないー。スナコの影響かな。

ま、いいや、遅くなっちゃったから今日はこの辺で。寝ます。

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